昨日はうす曇り。古ツアさんのご好意で、出店する「みちくさ市」の古ツアブースの軒下三寸借りての「素描集」販売。一緒に出した『青春18』(岡崎さん、いつまでたっても正式タイトル覚えられませんね、と古ツアさんから指導が入る)に二人でサインを入れる。『素描集』が9冊、古ツアさん出品の『青春18』は完売したのではないか。その場で似顔絵を描くこともしたが、5名の希望者があった。驚いた。
隣りでは、古ツアさんが用意した古本に、古ツアファンが開幕同時に飛びかかるように食いつき、バンバン売れていく。すげえなあ、と横目で見る。
客として出かけたことはあったが、もう長らく「みちくさ市」に出店はしていない。ただ、出店者に知合いは多く、方々で挨拶し、空気がなごむ。また、店番をしていると、未知の読者が足を止めてくれて、たくさんの人と話をした。「いつも読んでます」と言われると、ごほうびを貰ったような気分になる。うれしい一日となった。なかで、庄野潤三邸公開の日に足を運んだ方がおられて、いろいろ話を聞いた。夏葉社島田くんの話によれば、この日、全国から200名もの人が訪れ、山の上の家の坂にタクシーがずらりと並んだという。その日、某氏もいたわけだが、みな感激し、初対面なのに庄野ファンということで、同窓会みたいな空気になったという。いい話だ。そして、庄野さんの読者が、みな気持ちのいい人ばかり。それも、いかにも庄野さんらしい。某氏は、庄野邸で販売された岡崎武志編『親子の時間』(夏葉社)をお買い上げいただいたという。そういう場所で買うのはまた格別であろう。

本日「赤旗」連載対談「昭和歌謡」の最終回を務めてくる。一年間、隔月で続いた。終わると、ちょっと淋しい。
明日、久しぶりに「みちくさ市」に顔を出す。といっても、古ツアさんのブースの端っこで、素描集を売る、そして二人で共著の『青春18』にサインを入れ販売する意味での参加となる。天気、なんとかなりそうでよかった。「わけのわからないことで悩んでいるうちに 老いぼれてしまうから」(襟裳岬)のフレーズを、このところ、気がついたら口ずさんでいる。どこか根本的に疲れているようだ。明日は元気で、みなさまとお目にかかりとう存じます。
■「第44回 鬼子母神通り みちくさ市
■11月18日(日)11:00〜16:00 雨天中止(当 日午前八時に天候による開催の
有無を決定)
■東京都豊島区雑司が谷二丁目・鬼子母神通り周辺
https://kmstreet.exblog.jp/

本日、「白い扉」へ赴き、素描展の精算と会場の撤収。てきぱきと一時間で済んだ。今回、高橋「白い扉」秀幸さんとご母堂には、すっかりお世話をおかけした。おかげで、トラブルもなく、気持ちよく6日間をやらせてもらった。いい秋から冬であった。なお、素描展の画集『風の穏やかな日を選んで種をまく』に掲載された作品については、引き続き「白い扉」で通信販売してもらう手はずになっている。今後、同サイトから、ご注文下さい。遠方で「行けない、残念です」との声もいただいたが、ぜひ、画集を手に入れていただいて、買っていただけるとありがたいです。
絵、さまざまな画材、その他を積み込んで、高橋号で帰還。途中、素描展で販売し売れ残った古本二箱を、八王子「むしくい堂」さんで下ろし、買い取ってもらうことにする。「むしくい堂」さんには、ビール一ケースの差し入れに始まり、2度も自宅まで車で送って下さり、また画集も置いてもらえるということで、お世話をかけました。
いろいろ話しながら、高橋号で東へ。二人が知り合うきっかけとなった人物、「キャットフィッシュ」マスターの関マスヲさんの墓に詣で、関さんのおかげで、このような催し物が出来、無事済んだことを報告する。おだやかな、おだやかな気持ちになっていく。このことを大事にしょう。漱石草枕』を再読し始める。いまの気持ちにぴったり。
大相撲が始まり、また泥酔の日々が続かないよう、気をつけます。
いろいろ受贈書、いただきながら、紹介できず、ごめんなさい。

『風が穏やかな日を選んで種をまく 岡崎武志素描集』盛林堂書房(1200円税込み)の一般販売が、盛林堂のサイトと店頭で始まりました。すべてサイン、肉筆イラスト入り、であります。300部限定で、「白い扉」で40数冊売れ、残り250部少々でしょうか。関西では「善行堂」が取り扱ってくれることになっております。
来週あたま18日(日)雑司ヶ谷みちくさ市でも、古ツアさんブースのはじっこを借りて、販売させていただきます。私も参ります。
盛林堂書房ネット販売サイト
http://seirindousyobou.cart.fc2.com/ca11/444/p-r-s/
本日、盛林堂で、素描集100冊にサイン、落款、着色イラストを入れてきました。盛林堂ほか、京都「善行堂」、八王子「むしくい堂」が注文してくれ、取り扱ってくれる予定であります。ほか、もし置いて下さる店あれば、ぜひ盛林堂さんまで、ご連絡下さい。はしゃぎすぎた祭(素描展)のあとの、虚脱が大きい。

長い旅から帰ってきたような気分で、また日々の施行をやりこなす。「サンデー」用に読み始めた宮本輝『野の春』は、大河小説「流転の海」の完結編。なにしろ長編だから、ざっと読んで勘所をつかめばいい、と思ったが、たちまち惹き込まれ熟読する。大阪駅前ビルが建つ前、まだ戦後復興の名残りが残る大阪。インテリは登場せず、みな地に足つけて、もがきながら生きた人たちばかり。見開き二ページに一つ、人生の名言あり。知合いのお母さんが、このシリーズを楽しみに読み続けている、と聞いたが、なるほど。
素描展最終日、午後しばらく来客がなく、高橋「白い扉」秀幸さんにことわって、近所を散策。教えてもらった、小高い丘の上にある稲荷神社を詣でる。長い石段の下で、犬を連れた老女が、拝むでもなく、ただぼうっと立って登り口を塞いでいる。石段を上るのに邪魔で、除けて通ったら、犬が吼えながら飛びついてきた。それでも、女は、なんにも言わないで身動きもしない。ちょっとぞっとする光景だ。石段の上に無人の神社。境内一部がゲートボール場になっている。赤い幟が無数に風に翻っている。色づいた落葉が散らばり、神韻たる空気に包まれている。眼下は建て込んだ住宅街だ。スマホに高橋さんから「来客あり」と着信があり、帰りは別の石段ではない坂路を降りたら、さっきの石段にいた女と犬がまだいる。夢のなかのできごとのようであった。

昨夜ぶじ、3週間土日開催の「白い扉」素描展のフィナーレを迎える。最終日も、遠隔地まで、思いがけない方を含め、たくさん知人友人に足を運んでいただいた。ちゃんと集計していないが、のべ100名の来客、大小20点以上の絵が売れた。画集も40数冊売れたはず。なんとか面目を果たした。関係者各位にお礼、申上げます。昨夜は閉廊後も高橋邸居間で、残ってくれたお客さんとおでん、つまみを囲み、来客からいただいた焼酎、ワイン、日本酒を次々と空ける。心も身体も、どんどんほどけていきそうな気分だった。閉店後、駆けつけてくれた「むしくい堂」さんには、また家まで車で送っていただく。これは助かりました。お疲れのところ、申しわけなかったです。
今週、どこかで画廊の撤収作業をして、それで本当におしまい。いまは「祭のあと」(吉田拓郎)の気分で放心している。昨年が西荻ブックマークで「還暦パーティ」、今年はこの「素描展」と、まわりが盛り上げてくれて、記念すべき年々を送ることができた。人生にいい句読点を打てた感じ。つくづく果報者であると思う。打上げに参加してくれた古ツアさんと話していて、11月18日「みちくさ市」に古ツアさんが出店するというので、頼んで、端っこで今回作った素描展画集『風が穏やかな日を選んで種をまく 岡崎武志素描集』(盛林堂書房/1200円税込み)サインとイラストと落款ありを一緒に売らしてもらうことになった。ひさしぶりに「みちくさ市」に出かけていって、古ツアさんと『青春18きっぷ』も二人でサインを入れ、売ります。どうか、お出かけ下さい。

本日、八王子「白い扉」素描展最終日を迎えます。いい天気みたい。午後からずっと在廊します。「白い扉」のご好意で、6時閉廊以後も、打上げでのこっております。よろしかったら、打上げに参加しながら、絵も見ていただければ。
11日が最終日で、10日はあんまり来てもらえないかと思ったら、けっこう来客があった。本を紹介すると、必ず返礼がある律儀なノンフィクションライターの澤宮優さんに案内状を送っておいたが、来てもらえた。初対面。いろいろ話をする。そこへ八王子「佐藤書房」社長佐藤さんと、高円寺「テル」常連の呑み仲間のこれまた佐藤くんがペアで来てくれて、澤宮さん交え、佐藤社長劇場を聞く。絵も買ってもらえて、ありがとうございました。
来客を応接しているあいだに、4時過ぎ。あわてて京王「狭間」まで送ってもらい、準特急でシンジュクへ。ところが、この日、京王線沿線でさまざまな催し物があったらしく、車内混雑。座れず一時間、新宿まで。これは疲れた。始発の高尾から乗るべきだった。水道橋下車で、東京ドームへ。日米野球を散歩堂さんと観戦。東京ドームも野球観戦もひさしぶり。外野席は応援と嬌声がすさまじく、とてもゆっくり野球観戦する雰囲気ではない。それでも、けっこう楽しんだ。7回終了時点で侍ジャパンの大勝が約束され、ここで席を立ち、水道橋駅へ。空いてる総武線西荻下車。散歩堂さんと「戎」でちょい呑み。「戎」も久しぶりだ。日付変わる前に無事帰還。