okatake2012-11-17

昨日、善行堂で『定本 古本泣き笑い日記』の束見本(できあがった本そのままの造本で、本体中身はまだ印刷されていない)を見る。ぽってりと重く、ハードなハードカバー。黄色の下地に珍しい古書店の値段票をあしらった、いい仕上がりの装幀だ(林哲夫さん)。花布もつき、スピンもある。みずのわさんが凝り性で、印刷はどうしてもここへ、造本はここへ、など、気にいった地方のところへ分散して発注しているという。
偶然だが、ぼくも姫路で黄色い本を買っていた。「みのり書房」で、正岡容『明治東京風俗語事典』昭和32年有紀書房、これが1000円。函無しを持っているはずだが、やっぱり黄色い函もいい。
本日は、聖蹟桜ヶ丘「玉椿」へ。取材。国立からバス。石井さん、あいかわらず愛らしい。初期と比べ、商品構成も大分手が入って、より「玉椿」色が強くなっている。スキな人しか楽しめないかもしれないが、スキな人には「ぞっこん」という品揃えだろう。『行ってから読むか読んでから行くか タモリのNEW YORK旅行術』(講談社)を見つけ買う。700円なら安いよ。「玉椿」へは、石井さんの顔を見に、ときどき行きたいなと思う。「岡崎さんのファン、という方がたくさん見えますよ」と言われ、デレデレしてしまう。「そういう方がいたら、ハンコを押して行ってください」と言う。バカなおっさんだ。
土曜の午後、バスに乗って、というのがまたいいんだな。雨の日のバス、というのが、これがなかなか風情があって、夕暮れどきなど窓の向うが曇っていて、ドラマが始まりそうな気分になってくる。けっきょく、何も起こらないんだけどね。
帰りに駅ビル内に入った「無印」と「くまざわ書店」を覗く。いっぱい人がいる。不思議な格好をしたおっさんが、スリッパ姿で、店員に自分が履く靴を選ばせている。床に裸足で直に足を着いている。無印併設の「ムジカフェ」というのがあり、ここでコーヒー。隣りの50前後(若く見える)の女性二人の会話を盗み聞く。ちっとも楽しくない中身を、すごく楽しそうにいつまでも喋っているので驚く。50前後の目的なき女性の荒廃を見る、というのは言い過ぎか。
これから京王線でどこかへ、と考えていたが、雨が激しくなり、心がくじけて、帰還。 
提案した本が、あれもこれもすでに取り上げ済みと編集部に言われ切羽詰まり、京都の書店員に相談して選んでもらった『テルマエ・ロマエ』の最新刊を、「日刊ゲンダイ」書評用に決め、帰りの新幹線で読んできた。ははあ、これはおもしろいや。
「サンデー」で選んだ本、10冊が届く。新刊をテーブルに積んで、少しずつ崩しながら目を通して行く。ちょっとぜいたくな気分だ。
あれやこれやで、受贈書の紹介ができていません。すいません。