とうとう届いた

okatake2010-02-24

とうとう届いた。金子彰子さんの詩集『二月十四日』龜鳴屋。そうか、これがそうか。カバーがぐるりと本体を取り囲むかたちでくるまれて、ハートのマークのところでのり付けされている。これを破いてもいい、と書いてあるが、息を張りつめて、おそるおそるはがす。はがした方をそのまま表紙に折り込んで、これがカバーとなってホッとする。だから裏表紙のハートは少し傷ついている。えっ、50過ぎた男が書くようなことじゃない? たしかにそう。しかし、この仕掛けは、やるもんだなあ。装幀は金田理恵さん。金子彰子さんの発見者である井坂洋子さんが解説「金子彰子の呟き」を書いているが、これが見事なもので、金子さんの詩の本質を射抜いている。しかも励ましと慈しむ優しさがにじみ出ている。金子さん、どんなにうれしいだろうなあ、と思ったら、ほろりと涙が出てきた。詩の中身について、いま、ここでは何も書かない。井坂さんのことばでじゅうぶん、という気もする。洪水のように大量に本が出て、素通りしていくなか、ただただ、一冊の本(詩集)が出ることの意味、力強さ、輝きを『二月二十四日』に感じた。金子さん、ほんとうにおめでとう。少しお役にたてたこと、光栄に思っています。


暗く長いトンネルを抜けて、小休止。そういえば、一ツ橋「ブ」が昨年閉めたと思ったら、この3月末で砂川「ブ」が閉じる。お花畑が踏みつぶされて行く。不採算店を閉めて、より経済効率を上げていこう、ということだろう。しかし、立寄り場所が減ってさびしい。
立川栄「ブ」へいつぞや寄ったとき、「砂川」でいちばんよく働く土方くんが、なぜかいたので、「あれ?」と不思議に思っていたのだ。この土方くん、ダンスを踊るようにいつも動いている。回りの店員の動きがスローに見えるのじゃないか、と思うほど。こちらが一階にいて、二階で、機関銃のようにラベラーの音が激しく連射されるとき、それは土方くんなのだ。
東武東上線「上福岡」の「かみふくおか作業所古本トトロ」というのが気になりますね。東海道線鶴見へも、鶴見線乗りがてら、国道駅近くの鉱泉の銭湯に入りがてら、行きたくなってきた。