黒川創鶴見俊輔伝』を読み継ぐ。大部で力の入りまくった評伝で、こちらも読むのに力が入る。夜中に一度目覚めることが多く、そのまま二度寝できればいいが、たいてい夜明けまでぐずぐず本を読んだりで、起きてしまう。朝食後に二度寝。これは身体に悪いよ。
昨日は牧野伊三夫邸へおよばれ。今年は、ずいぶん牧野邸へ通って、ごちそうになった。来年四月発売の「四月と十月」40号記念号がアトリエ取材特集で、同人のライターがそれぞれ画家や美術家のアトリエを訪問するという企画。この日は木村衣有子さんが、牧野さんを取材。終えて打ち上げに、ぼくも仲間に加わる。中央公論新社から『画家のむだ歩き』という牧野さんの新刊が送られてきて、木村さんからは、ちくま文庫から今月発売となる『味見したい本』をもらう。「画」「食」とお二人らしいテーマの本である。木村さんと喋るのは久しぶり。口を真一文字にして、小さな声で、こちょこちょ喋るオフビートの会話が楽しい。書き手と編集者は、本を作っている間、一種の恋愛関係(同性でも)に陥り、その編集者が担当するほかの書き手の話題が出ると、ちょっと嫉妬して「わたし(ぼく)だけを見て!」という気持ちになると、木村さんと意見が一致する。ほかの方はどうだろうか。
昨日、昼食時に、勤めている娘が家にいて、自転車に乗って外へ食べに行く。相当以前に、一度二人で入った、街角の、廃業しているかと見まがう古びた中華へ行ってみたが休み。鷹の台まで遠征して、洒落た外国名の店名と裏腹に、ここも時代が煮詰まった洋食屋へ。二人で食べて、千円でお釣りが来る安さ。チェーン店以外で、極端に食べる場所が少ないのが、いま住んでいるところの難点。年末進行で早まった、「サンデー」の原稿を書く。今日は「赤旗」試写室の年度末回顧の原稿を。また、ふらふらとどこかへ行きたくなる。時間はあるが金がない。もうずっとそうだ。