サンデー用に、堂場瞬一『宴の前』を読了。どうしても渋いセレクトになりがちなので、風穴を開けるため、意識的にふだん読まないエンタメ系の長編小説をたまに選ぶようにしている。地方の知事選の生臭い背景を描いて、知らない世界を知った気になる。きわめてリアルである。
5日は午前、「アカハタ試写室」の仕事で、NHKへ。「昭和元禄落語心中」の第一話を見る。マンガが原作。いや、面白かったです。「サラメシ!」を見ていて、そうだ阿部直美さんからいただいた、上野の東京都美術館で開催中の「おべんとう展」のチケットが、閉会寸前であることに気づき、小雨のなか駆けつける。いつもNHK行きは原宿、渋谷を使っているが、代々木八幡および代々木公園駅の方が近いことに気づき、代々木公園駅から表参道乗り換えで上野というアクセスを取る。こっちの方が早い。都美は、入ってみると、チケット売り場に長蛇の列で、「なんじゃ、これ」と思ったら、これはお隣りの展示「藤田嗣治展」の方であった。あとで「フジタ」も見るか、などと思っていたが、いやいや、とんでもない。雨の上野公園は外国人観光客、修学旅行生らしき少年少女たちでいっぱいだ。
6日は七七舎経由で、水中書店。ここで古ツアさんと待ち合わせ。七七舎は二号店を閉め、隣りの和菓子屋を借りて、直結させるとのこと。閉める二号店の後釜(できれば古本屋さん)を探していたが、見つかったそうである。その後釜に推薦しておいたが、乗り遅れたフジタくんが水中書店にいて、少し話す。しかし、自力で新しい物件を開拓し、そこに決まるかも知れないとのこと。彼がまだ大学生時代からの知合いである、この若者を応援したい。水中書店では、鈴木翁二の未所持を買って、古ツアさんと居酒屋へ流れ、『青春18きっぷ古本旅』の最終チェックと、並行して編集デザインを依頼している『素描集』のことも打ち合わせ。なにもかも、古ツアさんに負ぶさって、申しわけないことである。しかし、頼りになる相棒である。古ツアさんは、明日、渋谷の一箱に出店(ぼくはもうどう考えてもそんな元気は出ない)するというので、お酒は控えめに。頼んだサンマの塩焼きが美味かった。二杯目に頼んだ生レモンサワーが巨大ジョッキで出てきて、持ち上げるのにいちいち「重いなあ」と思う。トシである。
DVDで「霧の旗」を途中まで見る。三度目か四度目。林光の音楽がいい。