連日の落語会。昨日は、内館牧子『大相撲の不思議』書評を送付してから、夕方家を出る。目ざすは小平駅前「ルネ小平」。これぐらいの距離(5キロ強か)なら、自転車で直結するのだが、空模様が怪しいので自重。某駅前公園に自転車を停め、電車を乗り継ぎ小平へ。やっぱり、少し面倒くさい。ルネ小平は大ホール小ホールを持つ巨大施設で、時間に続々と客が押し寄せて行く。譲ってもらった券二枚(一枚は散歩堂さんに)は、二階席の奥で、見ると三階建ての高さから高座は谷底を覗き込むよう。ちょっと落語を聞く環境ではない、と思われる。この日、講談の神田松之丞、兼好、小さん、仲入り後に白酒、トリが小三治と、ベテラン、人気者を揃え、1200席がまさに満杯。チケットは完売、だという。驚いたなあ。松之丞は初めて見たが、人気者ぶりがうかがえる溌剌とした高座であった。トリの小三治は、例によってぼそぼそと長いまくら(函館で先日の大地震を体験)で沸かせ、「野ざらし」をかけた。特上のうなぎを食べた気分。会場で、ピアニストだという女性に声をかけられ、話すと、先日の西ブクにも来て下さったという。心細く生きているのでありがたいことだ。ハネて、散歩堂さんと一献と思ったが、連日のことで、雨も心配、時間も9時半を回っており、この夜は、それじゃあとおとなしく別れる。小三治地震の話で「大惨事(小三治とかけている)」と、ベタな洒落を言い、停電となった夜の星空の見事さを描写していたのが印象に残った。今年12月に79歳になる小三治を、なるべく聞いておきたい。