もう秋なのか。信じていいのか。空に筋雲、トンボも浮いているのを見た。
昨日、まだ明かせない企画が進行中で、千葉へ。平井の「平井の本棚」を覗いてきた。そのまま総武線で乗ったり降りたり。ついでに、かねてからの願望だった検見川「広徳院」へ。拓郎が家出して、半年間、居候した寺。最後は西千葉。さいきん、本を買わないようにして、生まれて初めて、というぐらい、本を買わない日々が続いているが、この日だけ解禁。それも含めて書くつもり。
佐伯一麦『還れぬ家』を車中、ずっと読んでいた。3分の2は読んだか。青木正美さんから『文藝春秋作家原稿流出始末記』(本の雑誌社)が届き、さっそく読み始める。作家生原稿の流出と売買をめぐる、生臭い話だが、もちろん面白い。どういう事情で、著名作家の生原稿が大量流出したか。当の文藝春秋は青ざめるだろうが、まあ半世紀前のできごとで時効である。鶉屋も実名で登場。青木さんらしい、こってりした、執念の作である。これは前半。後半は古書界の変遷、古書界から見た中野重治窪川鶴次郎・稲子の話。