昨日、なんとか夕方までに「サン毎」原稿を送付。上原隆、南陀楼綾繁両氏の新刊がメイン。次回は「市場」もの3本を立てるアイデアを考えている。
『東京山手下町散歩』地図が、墨田区東向島の東側が切れている、と書いたが、これは2008年版。ぼくは改訂するたび買って、予備も買って、5、6冊持っているが、1999年版を見ると、これには東向島東側がちゃんと入っている。鐘ケ淵駅も。多少、両者で扱うエリアが違う。併用したい。墨田区一丁目に宏大な高層団地が建つ(墨田一丁目アパート、トミンハイム)が、これも愛用している昭和35年東京都区分地図帖を見ると、工場のマークが。461号線を挟んで西側には、かつて久保田鉄工所の大きな地所があった。その一画は、日活撮影所が一時期あった場所。今度、涼しくなったら、玉ノ井跡と合わせて歩いてみたい。
金子光晴『どくろ杯』を再読中。昭和初年、三千代夫人とのすったもんだと、上海に至るまでのでたらめな彷徨を、40年立って、たった今あったように記憶し、記述している。どういう頭脳だろう。大阪時代の正岡蓉の姿が活写されている。白石凡、波屋も登場。北村兼子の名前も出てくる。前に読んだ時は、その存在を知らずスルーしていたんだな。開高健とはまた別個の、語彙の豊富と、アクロバティックな文体。規格外すぎて、国語の教科書には載せられないが、まごうことなき日本語散文の第一級の達成だ。人物名索引を作り、かまわずガシガシ線を引く。ドラマか映画にならないだろうか。
夜中ネコにひっかかれ、腕に麻薬患者のような注射跡みたいな赤い点が二つできる。