昨日は外へ出ず、まじめに「サンデー」「學鐙」の原稿を書いて送付。両方で書き方を変えて取り上げたのだが、岩波文庫に入った『山頭火俳句集』。飴をぺろぺろ舐めるように、ずっと読んできた。「どうしようもないわたしが歩いてゐる」というような、ザ山頭火という句以外に、おもしろい句がある。「これが別れのライスカレーです」なんて、フォークソングの歌詞みたい。カフェ、デパート、レコードなんかが詠み込まれた句もあり、考えてみれば昭和初年はモダン都市の時代でもあった。いくつも付箋を貼って読んで楽しんだ。甲州あたりの、日盛りの道を山を見ながらぽくぽく歩きたくなる。
梯久美子原民喜』(岩波新書)は、原の肖像が入った別カバーが上からかけられていて、力が入った評伝。ぐいぐい読み進めている。左翼運動、自殺未遂など、知らなかったこと多し。梯さん、乗っています。
「もうなにも考えまい/愛することのわずらわしささえ」(「蒼い夏」岡本おさみ作詞・吉田拓郎作曲)