古ツアさんが、平井駅前(ほんとうにすぐ近く)にできた新刊+古本の「平井の本棚」をルポしている。まったく、この機動力には恐れ入る。http://furuhonya-tour.seesaa.net/article/460792394.html総武本線秋葉原から東へ5個目の駅。近いっちゃ近いが、亀戸では降りたが、平井はどうか。「ワンモア」という、故・常磐新平御用達の、パンケーキで人気の喫茶店がある。町名で言えば平井だが、この一帯「小松川」のイメージが強く、南側や学校名などに残っている。荒川と小さく蛇行する旧中川に挟まれた中州のような町だ。現中川は荒川の東を並行して流れ、小岩の先で蛇のように曲りながら葛飾区を横切り、環七の東、新中川と合流する。不思議な川だ。
その先、柴又周辺は寅さんが出没したエリアで、川本三郎さん『「男はつらいよ」を旅する』新潮選書に詳しい。これ、選書だと目立たないんだよなあ。もったいない本だ。いずれ新潮文庫に入るだろう。北海道の章で、中標津を訪れていて、北海道東の町では珍しくにぎやかで、「古本屋があるのにも驚く」という記述に驚く。ええ、中標津に古本屋! 調べると「北広堂書店」で現在も営業中。ただし、不定休で、わざわざ訪ねる人は事前連絡をしたほうがいい。
川本さんの指摘で、「寅さん」に、やたら「金町」が舞台として、あるいは会話に出てくると知る。東京の地図片手に妄想が膨らむ。
用事があって、午後「国立」まで出たが、つくづく「谷川書店」の閉店と、ガード下の「ディスク・ユニオン」の撤退が痛い。楽しみが半減。片肺で歩いているような気分だ。受贈書に、あまり言及できなくて申しわけない。関根虎洸『遊郭に泊まる』新潮社とんぼの本は、「おおっ!」と声が出た。かつて遊郭だった建物が、そのまま旅館に鞍替えし、営業しているというのだ。去年だったか、わざわざ訪れた京阪沿線「橋本」の遊郭跡もちゃんと出ていて、気づかなかったが、そのうち一軒が旅館として営業中だという。ちょっとそそられますねえ。