昨日、思い立って府中市美術館で開催中の「長谷川利行展」を見てきた。宮城県立美術館の洲之内コレクションなどで、一部を見ていたが、これだけまとまった量の長谷川利行を見るのは初めて。簡単に感想は書けないが、どうしたら、風景や人物が、こんな風に映り、こんなふうな描線と色彩で表現できるのだろう。まったく見飽きない。非常にいい展覧会であった。府中市美術館は常設展も充実。
見終えて、展覧会カタログをぜひとも買おうとミュージアムショップへ寄ったら、長谷川利行関連の書籍が売られたコーナーがあって、「貧乏」というテーマで、拙著『貧乏は幸せの始まり』(ちくま文庫)が面陳で並べてあった。うれしくなって、店員に断って写真を撮り、「これ、ぼくが書いた本なんです」とつい、言ってしまう。そのことを、レジにいたお二人が喜んで下さって、こっちもいい気分になる。ここのミュージアムショップ、独自のセレクトがされてあって、楽しいコーナーになっている。竹紙で作ったノートと、6Bの太い鉛筆もついでに買う。ロビーにはゆったりしたソファーもあって、公園の樹々も見える。いい空間だ。展覧会を見なくても、立ち寄ってひと休みできる。とんぼの本、『洲之内徹 絵のある一生』を久しぶりに読む。