二日、雨に閉じ込められて、家から出ない。先週、盛林堂&古ツア組が本の整理に来てくれて、階段の両側に積まれた本をとにかく運んだので、今度は、空いた階段にまた、新たに本を移動させスペースを作る。階段に邪魔がなかったのは、ほんの二日ほど。おかげで、少しずつではあるが、本を踏まずに歩ける道が出来た。長らく衣類、本、雑誌、CD、資料類が堆積して沈んでいた赤いソファも、ようやく全貌を現す。さっそく寝転がって、スタンドに灯をともし、ジャズのCDをかけながら本を読む。こういう憩いがしばらくなかった。『グルメのためのシネガイド』の淀川長治のパートで、割り箸を割って、先をしきりにこする男がいる、みたいな記述があって、おお、そうだったと思う。ケバを取るつもりなのか、蕎麦など食う前、必ずシャカシャカと二刀流でこする人がいた。いま、あんまり見ない。割り箸の質がよくなったのと、牛丼チェーンなど、プラスティックの再利用箸になっていて、そんな必要もなくなった。出てくる本、出てくる本を、つい読みふける、際限ない日々である。本棚に収まっている本(全体の3分の1ぐらいか)以外を全部、処分したら、どれだけすっきりした気分になるだろう。今年いっぱいかけて、そうしたい。