本の整理をしながら、思わぬものを見つけて、そこで作業が中断し、ということを続けている。本と本の間に、挟まっていたのが「銀座 並木座」のチラシ。1995年11月は「燦然 名匠四人の傑作選」。川島雄三をこの時、ここで見ている。「貸間あり」と「花影」。池内淳子さんにその後インタビューした時、「はなかげ」の池内さんが、とぼくが言うと「あれは『かえい』と読むんですよ」と訂正された。恥ずかしかった。ずっと「はなかげ」と読んでいたのだ。「並木座」のチラシはほかに何枚か出てくるはず。
同じく新潮文庫の『西脇順三郎詩集』を読む。奥付は昭和53年6月で17刷。定価は220円だ。大学生協書籍部で買ったものか。二部学生で、授業料、下宿代、生活費をすべて自分でまかなっていたから、つねにカツカツの生活で、そんな中で、文庫を一冊いっさつ買うのが楽しみだった。あの頃の気持ちを大切にしたい。西脇の連詩のような長編詩「旅人かえらず」に、「或る秋の午後/小平村の英学塾の廊下で」、「小平村を横ぎる街道」と「小平」の地名が出てくる。前者は、西脇が津田塾で教鞭を取っていた(昭和8年に出講)。後者は五日市街道のことならん。「白く真すぐにたんたんと走つている」とある。
依頼のあった江上剛『蕎麦、食べて行け!』書評を送る。
*今月のイベント*
「古本屋台トークショー
作家と登場人物が語る「古本屋台」の世界――。
コクテイル開店20年記念イベント第1弾「古本屋台トークショー」を開催します。
Q.B.B.久住昌之久住卓也)、岡崎武志荻原魚雷が勢揃いします。
サイン会もあります。
2018年6月30日(土)庚申文化会館
(東京都杉並区高円寺北3-34-1)
時間 15:00-16:30

入場料 1000円(定員50名ですのでご予約はお早めに)
イベント終了後コクテイル書房にて打ち上げをします。会費3500円(要予約・2時間飲み放題付)出演者と共に盛り上がりましょう!
詳細は、http://koenji-cocktail.info/2018/06/05/post-163/にて。
ご予約・お問い合わせは、cocktailbooks@live.jp(@は半角)