もと「彷書月刊」皆川くんが作った、坂崎仁紀『ちょっとそばでも』廣済堂という「立ち食いソバ」ガイド本がひょっこり出てきて、これは面白い。というか役に立つ。というか、行きたくなる。「古通」目黒編でぼくが触れた「田舎」も登場。「生麺使用とか、揚げたての天ぷらとか、そういった方向性とは一線を画し、昔ながらの店のスタイルを守り提供している」と、うまい紹介だ。そうなんだよなあ。秋葉原「二葉」は「東京立ち食いそば界の至宝」だそうだ。行ってみよう。汁の熱さにも言及しているのが我が意を得たり、の思いで、ときどき、変に生ぬるい汁で出されることがあり、もうこれは、金返してくれと言いたくなる。新宿駅西口構内にある店など、繁昌していたが、いやに生ぬるい汁で、丸っきり、食った気がしなかった。駅そばでも、タイミングによれば、そんなことがある。立ち食いは熱々、が命だ。水道橋「とんがらし」も名店のようだ。
荷風断腸亭日乗岩波文庫を少しずつ読む。自著の部数や印税など数字が挙げられていて興味深い。