地下への階段回り、そこから書斎のパソコン机まで、まともに歩けない状態がもう長く続き、本を踏みにじり、何冊の外函を踏み割ったことか。「これはいかん」を遥かにとおり越していたのを、盛林堂&古ツアチームが整理に来てくれた。彼らを迎え入れ作業してもらうため、階段の両側に積み上がった本を撤去する作業を、午前中に匿名コラムを一本書いてから、始める。すぐ息が上がる。情けない。夕方、二人が来てからは、流れ作業で、どんどん本をリビングに積みあげて行く。軍艦のような小山が出来たが、ここから8割は売るつもり。相当、積みあげたつもりだったが、小野くんによれば「千冊もないですね」とのこと。かかとの角質化した皮をやすりで削ったくらいか。これから定期的に、盛林堂には来てもらい、どんどん減らしていくつもり。肺病結核もの、大阪笑芸もの、なども、これから先、たぶん触らない分野で、あっさりと処分するつもり。年金支給後も収入が必要で、ネットで古本を売る、そのために在庫を抱えてなど、とも考えたが、そのときはそのときだ。半分とはいかなくても、三分の一は蔵書をダイエットしようと思う。もう、あんまり本に未練もないのだ。
1時間半ほど作業をしたら、もうギブアップ。リビングの指定したスペースも埋まり、バスで駅へ出て、「王将」でねぎらいの打上げ。もう一軒と、こないだ「中川フォーク」の後、散歩堂さんとも行ったジャズバー「韻」へ。ここは、チャージも取らず、突き出しもなく、本当に落ちつく気軽に入れるバーである。ジャズをちゃんと聞きたければ、入口近くの席がいい。3、4時間体を動かしただけで、腰回りが軽くなった気がする。いかに運動不足か、わかるなあ。
岩波文庫の『林芙美子随筆集』を付箋を貼りながら読む。さすがは武藤康史編、いいセレクト。しかも写真がたくさん入っている。本文活字は精興社で、林芙美子の文章が一段上がって、よく見える。これ、いいなあ(在庫品切れのようだ)。9月、「新潮講座」で中井、落合周辺を林芙美子記念館、佐伯祐三赤塚不二夫をからめて文学散歩する、その準備。また下見に行かなければ。