金土といずれも長い一日であった。6月1日は王子。宝田明さんの取材を事務所で。少し早く着いて、数年前にできた古本屋を覗いて、「読売カラー百科」シリーズという、何かの付録であろうか、小型ムック本を三冊。宝田さん、記憶も確かで、黄金時代の日本映画に現場の話をしていただく。担当編集者、カメラマンと王子駅前で別れ、飛鳥山公園にあるミニケーブルカーに乗る。前から乗りたかったんだ。わずか2分ほどの乗車。「紙の博物館」を見学し、中央線で戻る。夜、国立「ビブリオ」で、「中川フォーク・ジャンボリー」19回。ゲストは「やぎたこ」さん。多種の楽器をごっそり持ち込んでのライブとなり、満席となった会場が大いに盛りあがる。初めてのお客さんが多く、打上げ(事前に見積もって酒と食べ物を用意する)参加者が、当初、ぞっとするほど少なく、赤字を覚悟したが、十松くんのプッシュもあり、なんとか成立。もちろん、参加者を募ってから、その金額に合わせて買いに行けばいいという話だが、それだと、打上げ参加のお客さんを待たせてしまい、終了時間も延びる。このあたり、方程式はなく、毎回「忖度」しながらの働きとなる。無事終えて、ほっとする。
2日(土)は、茶サンポ開催の西荻へ。古道具と盛林堂が出店するガレージセールを覗く。頭がうまく働かず、本は買えないで、500円均一の時計から、ジッポウとジャギュアノベルティ(?)時計を2本買う。すぐさま神楽坂へ移動。「新潮講座」は幸田文「流れる」の読書会+柳橋文学散歩を敢行。映画「流れる」の予告編を見て、メディアミックスともいうべき読書会。じつは、この日、これまで最高の26名の参加があり、あとの申込みを打ち切ったという。これは幸田文の人気であり、いまだファンが大勢いる事を知る。しかし26名を前に読書会、というのは、ぼくもノウハウがなく、こちらから指名して感想と意見を聞くというスタイルにとどまった。読書会は欲を言えば6名くらいの参加者と議論を闘わすのがベストで、しかし、それでは講座は成り立たない。担当のMさんと、今後の講座のあり方について、話し合う。Mさんが、役職を超えて、積極的にアイデアを出し、準備をし、あれこれ手助けしてくれているのが、大いに救いになっている。
参加者とこのあと、浅草橋へ。総武線ガード下、現存する稲荷神社と黒塀の料亭を見て、いよいよ柳橋を渡り、両国橋を渡り、両国へ向う。ここで解散。両国駅構内が、ショッピング&飲食のモールに改装されていて、ぼくはガラスの醤油瓶を一つお土産に。あと、有志で打上げ、カラオケとなだれこむ。ぼくの中では盛り上がり、Mさんに「これから新潮講座、講義なしで打上げから始めてカラオケ、ってどうだろう」と言うと、「勘弁して下さい」と苦笑いされる。そりゃあそうだ。