そうか4月ですか。30日夜は牧野伊三夫邸へお呼ばれ。牧野さん縁りの編集者、デザイナー、世田谷文学館で展覧会開催中のぼくと同郷、ミロコマチコさんが参加(干支も一緒だと)。鉄鍋に水を張り、七輪と炭の火力で、ネギと鶏肉(ムネとモモ)だけの鍋がめっぽう美味い。大量の大根おろしに醤油、そこへ鶉卵を落としたのに浸けて食べる。締めが、鶏のスープが出た湯に、醤油、ごま油を足して投下したラーメン。
続けて山田洋次「家族」(1970)も見る。これも何度目か。大阪万博開催中で、大阪で降りる、長崎から北海道へ酪農で入植する一家。すべて鉄道による移動で、最後、中標津へ着いた夜は出発してもう4日目ぐらい。精根尽きはてる。途中、幼子を病死させたり、歓迎会ではしゃぐ祖父(笠智衆)が翌朝、冷たくなっていたり、犠牲の多い移動であった。しかし、ベコを一匹もらい、妻(倍賞千恵子)のお腹には新しい命が宿ることがわかるラストに救いがある。いわば、この10年後ぐらいの姿が「遥かなる山の呼び声」で描かれることになる。「家族」「故郷」ともに、渥美清が助演しているが、渥美含め、山田作品には必ずある出演者がわざわざずっこけるシーンがない。この2作、全小中高校で、生徒に見てもらいたい。