午前中、サンデーの原稿を書く。金井美恵子スタア誕生』と北欧ミステリ『許されざる者』をメインに5冊。支度して外出。盛林堂に補充。小野くん、ちょうど買取りに出かけるところ。相変わらず忙しい。「フジオ・プロ」探訪記が収録されていることを知り江國滋『東京探検』(昭和48年/芸術生活社)を均一で買う。なかに、江國の新聞死亡記事の切り抜きが挟まれていた。平成9年に癌で亡くなった。62歳だった。もっと年いってる印象があったが。この本の中で、「癌研病院待合室」のルポをしているが、最後の一行が「癌めッ!」。死亡記事にもあるが、癌の闘病生活で俳句を読み続け、それを本にまとめた時のタイトルが『癌め』だった。おそらく、まさか自分がなるとは思っていなかったろう。江國香織さんを取材した時、江國滋の著作のファンであることを伝えると、「ほんと、父の読者には、申しわけないです」と言われた。父の仕事は立派で、それに比べ私は、というニュアンスだったと思うが、印象に残っている。そんなことはないですよ、江國さん。
『東京探検』読みながら移動、サンデーで本選び。今日は寒かった。いつもそのまま帰るのだが、神保町へ立ち寄って、目当ての『キネ旬』を700円で見つけ、「ぶらじる」でコーヒー。竹内くんがいて、「中川フォーク」のチラシを置かせてもらう。ここのコーヒーはピカイチ。いつも、美味いと思う。濃いコーヒー好きの火野正平に飲ませてあげたい。
神保町「あむーる」で、本当に久しぶりに文庫2冊で100円を買う。講談社文庫『詩集 サッちゃん』は安野光雅の描き下ろし挿絵がふんだんに入っている。旧河出文庫の『にごりえたけくらべ』は、カヴァーが木村荘八。カヴァーをはずすと一枚絵になっている。このまま額に入れて飾りたい。