節分に恵方巻きを、という習慣は、大阪から始まったというが、私が知ったのは上京してから。大阪でそういう習慣があったとも知らない。あったとしても、大阪の中心地および南側ではないか。土用の丑の日にうなぎ、と同じく、業界が販売促進のため、作った流行のようであるらしい。ただし、関西のあっさりした巻き寿司は好きは好きで、たとえば阪急や京阪駅前にあった立ち食いソバのチェーン店「都」には、カウンターのガラスケースの中に、必ず巻き寿司(三個ぐらい)があって、これと天ぷら蕎麦の組み合わせは、黄金であった。
どこへも出かけない日曜日。昭和59年「SWITCH」第二号で、1846年「シベリア流刑地から脱出した最初の男」ラフィン・ピエトロフスキーという男の存在を知る。さきごろ触れた映画「僕たちの失敗」には、織田政雄、佐田豊と、二大「困った顔」役者が登場、やっぱり困っていた。太刀川寛という東宝映画によく顔を出す脇役俳優が、女ことばで、C調の小悪党を生き生きと演じて、印象に残った。NHK「あさイチ」で、何日か前、平野ノラという、誰だかわからない、初めて知った、おかしな味のあるタレントを見る。いろいろ、出てくるなあ。