雪は道端やコーナーでまだ溶けないで、雪かきをしなかった歩道は凍ってガリガリになっている。自転車で移動するには、まだまだ注意が必要だ。
山田風太郎樋口一葉を読んで、井上ひさし樋口一葉に聞く』(文春文庫)を楽しく読んでいる。じつにうまく編集されている。この本でいちばん驚いたのは、14歳から一葉が通い出した中島歌子の歌塾「萩の舎」で、明治20年(一葉15歳)のとき、歌塾の集合写真を撮っている。晴れ着で着飾る仲間のなかで、古着は一葉ひとり。おもしろいのは、当時、中流以上の家庭で育った娘たちは、和装の写真撮影のときそうしたようだが、みな、たもとで手首を隠している。それがたしなみであった。ところが、前田愛の指摘によれば、一葉一人が右のたもとから指の先を覗かせている。「負けてたまるか、私は私」と、この章の見出しにあるが、たまたまポジション的に、写ったとも言えるが、じつにおもしろい指摘なり。品切れみたいだけど、これ買っておいた方がいいですよ。