昨夜は武蔵小金井。「大黒屋」で京都へ移住する青木隼人くんの送別会。牧野夫妻、「四月と十月」の北さん、青木くんとデュオを組むミュージシャンharukaくんとで飲む。「大黒屋」は今年初日のオープンだったが、大変なにぎわい。串、魚料理がどれも美味い。3時間ほど飲み食いし、近くのカラオケスナック「ようこ」へ流れ、2時間くらいワイワイと楽しい一夜となった。いくつかメモすべき話が出たのに、すっかり忘れてしまった。武蔵小金井北口に君臨していた「西友」が潰れていた。ビル好きにとって、なかなか好ましい建物なのだが、壊されてしまうのだろうか。武蔵小金井も風景がどんどん変わって行く。
録画した「阿修羅のごとく」を2回分ほど観るが、やっぱりスゴい。俳優陣もそうだが、やっぱり脚本(向田邦子)が素晴らしい。四姉妹の父母が住む家は国立にある、という設定。三角屋根駅舎、それに大学通りの並木が映る。一ツ橋大学の周辺どこか、という設定ではないか。緒形拳八千草薫夫妻が住むのは阿佐ケ谷。父・佐分利信若い女を囲っているアパートがあるのは代官山周辺。
なかで、図書館で働く三女(いしだあゆみ)のところへ、彼女を愛している興信所の宇崎竜童が訪ねるシーンがある。カウンターで作業をしているいしだ。目の前に漱石全集が何冊か積みあがり、そのうちの一冊を宇崎が手に取る。「虞美人草」の巻で、その冒頭を宇崎が朗読するのだが、これがいい。吃音という設定で、つっかえつっかえだが、ルビがあるせいで、漢字の読み間違いはない。漱石は、やっぱりいいぞ、と思わされるのだ。