「じゅん散歩」を見るためつけていたテレビで、どうでもいい角界のゴタゴタをずっと聞かされ(国会論戦をはぐらかすCIAの陰謀ではないか)朝の頭が悪くなる。今朝は「西小山」。いっしゅん、どのあたりの駅かわからなくなる。目蒲線か、武蔵小山の一つ向こうか。高田純次、大好きなのだが、「目黒のさんま」という幟を見て、「あれ? 目黒のさんま? 何だろう」と、落語の「目黒のさんま」を知らない。いや、落語の、というより「目黒のさんま」というのは、何と言うか常識というか、普通に生きてきて、耳に入らないわけがない成句だと思うが……。このあと町田忍邸の前を通りかかり、庶民文化研究所の札を見て、一般人のお宅訪問みたいに中へ入って行く。そうか、町田忍さんのことも知らないか。けっこうテレビや雑誌に顔が出ている人だが。ぼくは「旅」の著者インタビューで、町田邸へうかがっている。蒐集物数万点すべてが、みごとに分類整理保存されているのに驚いた覚えがある。深く反省。まあ性分でしょうな。
ジョージ大倉『キャロル 夜明け前』(主婦と生活社)を読む。ジョージが永ちゃんに会った時、永ちゃんが、当時吉田拓郎がしてたみたいなマッシュルームカットで、リーゼントのジョージを、変な頭だと笑ったというところが一番面白かったです。「キャロル」結成は1972年で、もう少しデビューが早ければ、まちがいなくグループサウンズとして売り出される時代だ。
某週刊誌から取材の依頼が電話で入るが、どうも内容が怪しい上に、明日が締め切りだという。無理過ぎる。逃げるため、いくつか著名人のもの書きの名前を出してしまった。連絡がいったらすいません。しかし、立て続けに仕事を断ると、沈みかけた泥船のような経済状況を思い、暗くなる。
教育誌の連載、川端康成今東光の話を、『街道をゆく 北のまぼろば』から引用しつつ書く。二人の友情を伝えるいい話。