ざんざ降りの投票日が過ぎて、今日あたり、ようやく晴れるか。
朝からネジを巻いて、季刊「學鐙」連載の「私のすすめる三冊」を書く。一冊が300字弱と、難しい字数。 
帚木蓬生『守教』(新潮社)、オフィス・ジロチョー編著『佐野洋子 あっちのヨーコ こっちのヨーコ』(平凡社)、涸沢純平『遅れ時計の詩人 編集工房ノア著者追悼記』(編集工房ノア)を選んだ。
むずむずと、どこかへ行きたくなる。しばらく野山も歩いていない。歩きたいなあ、一年でいちばんいい時期なのに。一日乗車券を買って「都電荒川線」しゃぶりつくしさんぽもしたい。「王子」と「梶原」以外、古本屋が沿線に少ないのが淋しい。「男たちの旅路」吉岡指令補の住むあたりを訪ねて「巣鴨新田」を歩いたのはいつのことか。江戸川区の水路(旧中川)がくるりと円を描き、その川に囲まれた平井の町も、前から気になっている。総武本線「平井」駅前には、パンケーキで有名な、常磐新平が好きだった喫茶「ワンモア」がある。机上の妄想さんぽが続く。
いま気づいたが、ぼくが愛用する2007年版『山手・下町』地図にはない、新しい道路(449)が、いま触れた、ひょうたんみたいな平井の町を、その後縦貫している。