秋の長雨である。一年ぶりぐらいに「スーパー源氏」登録の本に注文が入り、うろたえる。どうすればよかったんだっけ。とりあえず、本を探し(いちおう、登録した本は一カ所に集めてある)、伝票を書いて、ゆうメールで送る。沖縄からの注文であった。無事、届くだろうか。あまりに稀れなことに、恥ずかしいぐらい、とまどう。
古通」原稿は、「大人の休日」パスによる東北行き第二弾「弘前」。仙台に招かれてのトークについても書く。ゲラ2本返し。ちょっとバタバタする。いろんな、答えのでないことを考える。考えたら10月も半ばで、今年も終りが見えてきた。もう少しがんばらないと、と思いつつ、夜は酒で消えていく。60歳って、こんなものか。
「ジェッシイ・ストーン」は、いちにちスコッチを二杯と決めている。つまみはやらない。ジェッシイは飼い犬に「そんな目で俺を見るな」なんて、話しかける。シリーズ4、5、6と見てきた。テレビも見ない、本も読まない、映画も見ない、音楽もあまり聞かない。長い桟橋でつながれた湖上(海?)の家に住む。心は淋しき旅人、である。6では署長職を解かれ、ボストンの州警察の友人に頼まれて事件の捜査をする。ボストンはスペンサーがいる街だ。
「あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ」(小野茂樹)
小野は1970年に自動車事故で、34歳で急死している。『第三 折々のうた』より。