「ギンレイ」で1本。ミア・ハンセン=ラブという知らない監督。独仏合作。主演の高校哲学教師はイザベル・ユベール。フランスでは高校で「哲学」を教えるんだ。「40を過ぎたら女は生ゴミ」なんていうが、50代の設定で、じっさいには60代(それぐらいはいってるように見えた)。せかせか歩くところがトリュフォーウディ・アレンみたい。アラン、パスカル、ルソーなど、いたるところに哲学からの引用が出てくる。イザベルは哲学の教科書も書いているが、さいきん、売れ行きが悪く、若い編集者は出版に難色を示す。見本として自著を10冊、余計にもらったら、その代金を請求される。「以前は20冊くれたのに」、今は10冊と渋い。フランスの本はペーパーバックみたいに簡易装幀で、カバーもないようだ。浮気している夫とは別れ、一人で映画を見るが、しつこい男につきまとわれ、路上でキスされたりする。リビングに大きな本棚。すべて哲学書なのか、ゼンタイに白っぽい。公園で寝そべっていると、風が紙を次々と飛ばし、それを若い女性が拾ってくれるという、なんでもないシーンだが、いい。
日本書房には店頭に和本の均一本が積みあげてあり、そこから要があり一冊。「ぶらじる」でコーヒー。「あむーる」2冊100円文庫の棚、見るのが遅いのか、どこか病んでいるのか、じっと離れない男性がいる。どういうつもりだろう。「代りに選んで差し上げましょうか」と言いたくなる占拠で、見るのをあきらめる。
「サン毎」で本えらび、帰り、ひさしぶりに「ささま」へ寄ったら、ずいぶんレイアウトが大幅に変わっていた。入口近くにあった音楽の本が、前は建築が並んでいたところへ。大変だったろう。
外出すると、今日はどこで、何を食べるか、ずっと昼飯のことを考えている。
「アカハタ試写室」3時間スペシャル「遠山の金さん」について書く。金さんは、TOKIOの松岡くん。役者絵みたいな顔しているから時代劇がよく似合う。岡っ引き役でリーダーが……というような安易な起用がなくてよかった。まるっきり「かくし芸大会」のドラマになってしまう。
ひよっこ」は問題を一つずつ片付け、終焉へ向っている。