昨日は思い立って、「古通」取材の心づもりで駒場東大前「河野書店」へ。店に河野さんがいらして、いろいろお話をうかがう。二冊買って辞し、本来、渋谷へ向かうつもりだったが、まだ時間があり、下北沢へ戻って「白樺書院」のあとに入った「古書 明日」、ひさびさに「ほん吉」へ回って、それぞれ買う。「星乃屋珈琲店」に入り、まったりしたら、ドッと疲れが出て、どうしたことか。カメラマンらしい大阪弁の二人(老若)の会話を聞いている。ミュージシャン仲間が海外へ行くというので、「老」の方が車で自宅から空港まで送っていくことに。機材を乗せるため、早く出たが、関西空港に着くと窓口が空いていない。それで別れるつもりでいたが、イヤな予感がして、航空券を確かめたら、なんと「伊丹空港」のまちがい。スピート超過の猛スピードで伊丹へ。なんとか間に合ったという。「若」の方の話。家庭菜園だか、おいしい野菜を作っているところから野菜を買っている奴と、飲食店に入ってサラダを注文する。すると、その野菜男が「こんなん、まずくて食えん」と言う。「若」は思う。(そうかも知れんけど、オレはいっつもこれを食って、けっこううまいと思ってるんや。そんなん言われたらこっちもまずいと感じてしまう)と言う。たしかに。すぐに「これはまずい」「味が落ちたね」とか、言いたがる人がいて、癖になっているのか、なにかしら一言いわずに済まない者がいる。うるさいなあ、と思う。ぼくは舌が幼稚で、「うまい」と「まずい」の差が紙のように薄く、なるべく食べ物のことで、どうこう(思うのは勝手)言うのはイヤである。「若」に同感する。このあと、地下に潜った小田急線で代々木上原経由「原宿」下車でNHK放送センターへ。NHKスペシャルを一本見る。「アカハタ」の「試写室」書き手の中では、ぼくは「若手」なので、どうもNHK行きが多い気がする。下っ端は、ニコニコと、何でも受けて、言われた通り働かなくちゃいけない。もう60だが。札幌の古書須雅屋須賀章雅さんから届いた雑誌『旅人類』に、須賀さんが太宰「津軽」について一文を寄せている。須賀さん、健筆なり。