昨夜、芸術新聞社担当編集のY氏に、ウェブ連載に手を入れ、佐野洋子編をゾウホした『人生散歩術(仮題)』初校ゲラを返す。300ページくらいになりそうだ。ケツ(7月後半に東京堂で同時期に本の雑誌社から『日常学事始』を出す荻原魚雷くんとのトークあり。テーマが両者、似ている)が決まったので、遅らせることはできない。ホッとして、夜酒を飲んでしまう。こうなると、もう何もできない。沈没す。
そのかわり、今朝、4時半に目覚ましをかけ、飛び起き、エンジンかけて、「サンデー毎日」の「昭和のテレビ」プレイガール編(上)の座談会原稿を大急ぎでまとめる。400字で10枚強ぐらいか。担当のKさんがテープ起こし原稿をいつも送ってくれるので、本当に助かる。あちこち切り貼りし、補足し、語調を整え、発言の頻度を按配し、どうにか送付。集中してやったので、「ひよっこ」を見逃す。深夜、再放送を見よう。
この数日、読んできた増田俊也北海タイムス物語』、感動のまま読み終える。少し泣いてしまった。すさまじく安い給料、休みは少なく、仕事は過酷。地方新聞(ただし名門)の実態を、青春小説に仕立てて、新聞制作業務がリアルに分る。いいなあ、と思いながら読んだ。ぼくが上京して最初に入った雑誌編集部のことを思い出す。しかし、飲み食いは、よく編集部持ちで連れて行ってもらっていたので、飲食生活は、ずっとマシであった。いろんな、自分のことも思い出しながら読んでいた。版元が新潮社とは、気づかなかった。なんとなく、角川か光文社かなあ、と思いながら確かめず読んでいた。
宮内悠介くんが、直木賞候補に挙がった。佐藤正午さんも直木賞候補に入っている。二名受賞、といかないものだろうか。
岡本おさみ『旅に唄あり』を、本当に久しぶりに、パラパラと再読して、しきりに旅心をそそられる。潮風ふきつける漁村を、とぼとぼと歩きたい。町の食堂でしょうゆ臭いラーメンを食べたい。頭で書いた『風来坊ふたたび』を、身体で実体験したい。