碧野圭さん新刊『書店ガール6』PHP文芸文庫解説に少し手を入れて戻す。国分寺のブックフェスについても、小説に登場するので、少し触れた。人気シリーズで、多くの人の手に渡るだろうから、連動して『読書で見つけた』も売れてくれることに期待したい。
昨日は「アカハタ」試写室の仕事で、またNHKへ。西島秀俊吉瀬美智子主演ドラマ『ブランケットキャッツ」第一回を見る。記者会見では、主演二人に加え、嶋崎遥香、第一回ゲストの蓮佛美沙子が出席。吉瀬は、CMでよく見ていて、「きれいな人だなあ」と思っていたが、これで名前がわかった。実物を見たが、もうこれは女優になるしかない、といった美貌であった。ネコがとにかく準主役のドラマで、七匹が登場。原稿に書くので、これ以上は触れない。
前回見た「神様からひと言」が、小出「淫行」恵介事件で、原稿が吹っ飛んだので、今回こそは。
帰り、井の頭線で吉祥寺。少し、ひさしぶりに吉祥寺を歩く。「藤井書店」で、持ってるかも知れないが、いま、ちょっとでも読みたい庄野潤三『野鴨』講談社文芸文庫を買う。
ロス・マグはけっきょく自分の書庫を捜すのがいちばん早く、と言いながら5、6冊はあるはずなのに、『縞模様の霊柩車』ハヤカワミステリ文庫だけなんとか拾い上げ、電車の移動中、読む。訳は名手、小笠原豊樹。アーチャーがメキシコへ飛ぶ飛行機内からの眺めを書いた一節。うーんとうなった。
「飛行機は、見渡すかぎり陸地の影もない海の上を飛んでいた。大気は完全に透明である。やがて、カリフォルニア半島が、果てしもなくつづく地獄の岸辺のように、翼の下を通りすぎた。海岸線には、樹木も、家も、人間も見えない。/日が傾くにつれ、黄色い山々の影が、乾ききった谷間に伸びていった。耕地の緑色と茶色の格子模様が、ようやく目と心を慰めた。荒廃は永遠につづくものではない」
「古書通信」6月号、連載80回目となる「昨日も今日も古本さんぽ」は、京都「みやこめっせ」の古本市のことを書いています。あと、京都、伏見、橋本の町歩きについて。尚学堂、ホホホ座も登場します。