昨日はひと仕事片付け,午後外出。「盛林堂」経由(石田五郎サイン本『天文屋渡世』を見つける)、日暮里駅改札で芸術新聞社のYくんと待ち合わせ。現在進行中の単行本の写真撮りのため、半日、一緒に歩く。まずは谷中。その前、夕焼けだんだん上で、「信天翁」夫妻が本を山のように積みあげている場面に出くわし、挨拶。マルクスエンゲルス全集もある。「売れますかねえ(心配)」と言うので、「何言うてんねん、めちゃくちゃ欲しがってる人がいるって」と誠に無責任な応対をする。谷中ぎんざから裏筋へ入り、志ん生邸跡を訪ねる。志ん生がよく言った世界湯跡へも。どちらも痕跡はない。ただ両方で、近くにいた地元の人に取材、有益な情報を得る。谷中ぎんざへ戻り、古い酒屋さんの看板女性店主にも声をかけ話を聞く。「志ん生さんはいつも、うちで『菊正』を」と、どんぴしゃの返答。Yくん「岡崎さん、引きが強いですねえ」と言うが、いつも、こんなに気さくに誰にでも話を聞くわけではない。なかばTVレポーターのような演技をしているわけだ。
このあと「ほうろう」へ寄って宮地くんと雑談(ナンダロウくんの新刊、加藤千晶さん、志ん生のこと)しながら、100、500円均一棚から数冊買う。江戸川橋「還国寺」(志ん生の墓がある)へは、山手線内側を環状で走る不忍通りで、バスを拾い、江戸川橋まで。これなら一本で行ける。志ん生墓を参り、「ド」で休憩(混んでるなあ)。大塚へはタクシー。1000円ちょっとで行く。大塚は田村隆一さんぽ(天祖神社、三業地の名残り)。あれこれ見て回り、田村さん行きつけだった、コの字のカウンターの居酒屋名店「江戸一」で打ち上げ。ここは、みな静かに酒と肴をたしなむ大人の店。大声出す者やスマホをずっといじっている客はいない。万歩計は一万歩を超える。