あっというまに、京都徳正寺での還暦イベント、一週間前だ。昨日、電話で善行堂と話す。6日の西ブクのイベントは善行堂も上京。東京で行きたいところ、いろいろあるらしい。
昨日は、サンデーのレギュラーの仕事を終え、すぐ著者インタビュー(林望さん)の原稿にかかる。1200字ほどのインタビュー原稿が、これは何回やっても難しい。過不足なく情報を詰め込むというより(それも大事だが)、全体の流れ、リズム、そして何より、取材相手の人柄みたいなものが、匂ってこないと。とにかく槍終え、ホッとしたところに、散歩堂さんからメールあり。散歩堂さんが年間会員で席を押さえているTBS「落語研究会」が、今日(4月26日)行けないので、代わりにどうですか、と言われ、馳せ参じる。東京三宅坂にある「国立劇場」小劇場へ。なんと前から2列目の席。前から3つ目ぐらいは、昔からこの会へ通う人達が押さえた常連席らしい。後ろの80前後ぐらいの老人たちが病気の話、昔の話をしている。そのうち一人、リーダー格は4つぐらい席を持っているらしく、仲間に声をかけての参加。「今はいいけどさ、昔はこれ(年間通し席)を取るのに徹夜して並んだもんだよ、みんなで手分けしてさ」なんて話している。テレビ放映では、山本文郎アナと榎本滋民コンビの頃であろう。ぼくは、この長屋の八っあんと大家(あるいはご隠居)の風情のコンビが好きだった。いま出演されているK氏は、知識も経験も豊富だが、どうも落ち着きがなく、どこか角々しく、前者が持ってた、ふっくらとした味わいがない。
この日の出演者と演目を挙げておく。柳亭こみち「豊竹屋」、古今亭志ん陽「疝気の虫」、桂文治「二十四孝」、ここで仲入り。春風亭一之輔「堀之内」、トリが柳家さん喬「ひとり酒盛」。先日テレビ「プロフェッショナル」で見た、話題の一之輔を見られたのが収穫。「これが一之輔か」と堪能し、頭に刻み込む。散歩堂さんのおかげだ。ハネて、劇場の前に待機している新宿行き都バスに乗り込み遅い帰還。車中は、届いたばかりの森まゆみ『子規の音』新潮社を読んでいた。「あとがき」で担当者だった編集の木村由花さんが、若く逝去されたことを知る。2015年2月28日、享年53。「yomyom」の仕事で森さん、目黒さんと座談会をした時、打ち上げでお目にかかっている。そうでしたか。ご冥福をお祈りします。