昨日、無事「45回転の人々 8」を終了。満席であった。例によって石原くんが、恐るべき収集力と探究力と分析力で、昭和歌謡の新たな地図を描き変えようとしている。事前に「今度はGSをやります」と言われただけで、ぼくはいつも手ぶらで臨み、お客さんたちと同じ条件で、かかるレコードについて、あるいは石原説についてコメントをする。そのことで反射神経が鍛えられている。しかしGSと天正少年使節キリシタン幻想)の結びつきは大いに驚いた。ぼくも二枚だけ、最初に「どうにかなるさ」(かまやつひろし追悼)、フォー・クローバーズ「冬物語」のB面「時のいたずら」をかけさせてもらった。これを「岡崎武志のこれが聴きたい!」と名付ける。最初にやっておいてよかったよ。もうあの怒濤の進行にあって、横から差し挟む余裕はなかった。
打ち上げも終り、すでに21時半になっていたが、お呼ばれしていた牧野伊三夫邸へ。この日美術同人誌「四月と十月」の発送が行われ、そのあと宴会になっているはずだ。牧野邸に着いたのはもう22時近く、無礼な訪問時間だったが、歓迎されしばし酒と歓談。同誌同人の方々は、みな気持のよいフレンドリーな方々で、異物のぼくを受け入れてくれる。
昨日はいちにち遊んでしまったので、今日は詰めて仕事。あれも読まねば、これも読まねば。武田花編/武田百合子単行本未収録文集『あの頃』(中央公論新社)を読んでいる。こんなに未収録があったのかと驚きながら、それがまとめて読める喜びも感じる。林望『役に立たない読書』インターナショナル新書が届く。来週、林望さんに著者インタビューする。