荻原魚雷さんが、ブログ「文壇高円寺」丸々一回分を使って、『古本道入門』をていねいに紹介してくれている。自分で書いた文章でも、他人がどこに反応するか、そこにその人自身が表れているようで、面白いし興味深く、うれしかった。魚雷さん、ありがとう。魚雷さんが還暦を迎えるまで、がんばります。
http://gyorai.blogspot.jp/
杉本秀太郎が「無愛想」という文章でこう書いている。
「アランはパリのリセ・アンリ四世校の哲学クラスを長いあいだ担当していたが、休み時間の校庭で近づこうとする生徒があると、無愛想に『ボン・ジュール』とだけ言って背を向けるのがつねであった。しかし教師アランは非常な人気をたもった」。職人や芸術家は無愛想でなければならない、と杉本は言うのだ。うーむ、ぼくは文章の職人だとは思っているが、同様の態度、行動を取って、通用するとは思っていない。まあ、もっとレベルの上の人の話でしょうが。しかし、ときどき、誰にでも愛想よく、なごやかに接するのに疲れるのも事実である。
初対面の取材で、にこやかに、ときに冗談を交えながら話をして、「楽しかったです」と言うと、相手から「でもおかざきさん、目が笑ってませんね」と、ドキリとするようなことを言われたことがある。取材の時は、つねに文章構成や、次に大事な質問をいつ繰り出すか、時間配分はどうかなど、めまぐるしく頭が回転して(それをなるべく悟られないようにして)、相手と対しているので、そう思われたのか。もう20年近く前の話だが、いまだに覚えている。そう、ぼくは取材のとき、「目は笑っていない」です。ふだん、日常でも事情は同じで、しかしときに、「やられたぁ!」と「目も笑い」ながら大笑いすることもある。
そうそう、今週号「サンデー毎日」に、映画女子として「のむみち」さんが、写真入りで登場しております。田家秀樹さんの拓郎の記事もあり、なかなかのものであります。