今日も晴天。午前外出、高円寺「ブック&A」展を覗く。歴史関係の本が多いか。なかなか心にフィットするものなく、ようやくSUREセミナーシリーズ『山田稔 何も起こらない小説』を買う。九段下経由清澄白河へ。毎年開催している、JPIC読書アドバイザー講座の実践編ともいうべき、古本屋ツアー。ぼくがコンダクターとなる。清澄白河駅から地上に出て昭和3年築のレトロモダンアパートを眺め、隅田川近くの芭蕉案跡の稲荷神社に参る。もう一度、清澄白河へ戻り、「しまぶっく」さん、のらくろロードの「ほんのき」とツアーして、のらくろ記念館がゴールという2時間のコース。12名が参加(男性は1名)。なごやかに喋りながら、楽しいツアーとなった。最後、有志で「ジョナサン」で打ち上げ。ぼくだけ生ビールを呑む。いやあ、うまかった。このコースの徒歩数は8000歩強。帰宅したら1万歩を超えていたが。「しまぶっく」さんは、現代美術館城下町ともいうべき場所にあり、美術館ユーザーに大きく依存していて、現在、改装のため休館中なのが、非常に痛いとおっしゃっていた。「ほんの木」は、文庫の棚、表うら二面に、びっしりハヤカワと創元推理のSFが並んでいたので、びっくり。しかし、探している一冊はなかった。どちらも、本当にいい店。
お先に失礼して神保町。芸術新聞社で、ずっとフリーズ状態にあっていたウェブ連載「人生散歩術」の単行本化打ち合わせ。出版条件は厳しいが、つべこべ言ってられない。溶かして、温めて、増やして、なんとか一冊になるようカタチにする作業に入る。
移動の車中は遠藤周作『沈黙』。昨日、シネコンでスコセッシ「沈黙」を見て衝撃を受けてきたので、非常にリアル。篠田正浩監督版も見ているが、こちらはがっかりするような凡作。だって、最後に出てくる転び神父のフェレイラが丹波さん(哲郎)なんだもの。これはポルトガル神父には見えず、どう見ても丹波さん。まるでコントだ。
年に一度か二度、書評の仕事依頼がある月刊誌「潮」書評欄に『気がついたらいつも本ばかり読んでいた』が掲載された。見開き8本の短評のうちの一本だが、要領よく本の中身と読みどころが紹介されていて、ありがたい。「音羽館」も注文してくれた由、近日中にサインを入れに行きます。60歳へ向けて、道を踏み固めて歩きたい。