okatake2017-01-21

またまた、なかの芸能小劇場招待券が当たり、本日午前10時(当るのはいつもこの回)からの、二つ目昇進独演会「柳家小かじ」へ行く。出るのもぎりぎりで、招待券を整理券に変える時間のリミットが9時40分までで、中野駅ホームに着いたのが9時37分。走りました。息絶え絶えに整理券を確保し、会場へ。小かじは、1988年生まれ、2012年に柳家三三に入門、昨年11月に二つ目昇進とパンフレットにある。勢いのある二つ目を聞くのはいい。この日はたった一人で、三席。真田小僧、あくび指南と小三治門下筋の滑稽噺を難なくこなす。「難なくこなす」というのは、誉め言葉ではない。意地悪く言えば、口調(ってことは、あれですかい、みたいな)を含め、師匠の三三を始め、端正で巧い噺家を間違いなくなぞっているということだ。語尾がぐちゃぐちゃっとして、聞こえにくいのも気になった。もう少し滑稽味がほしいところ。しかし、筋はよく、この先、自然にいろんなことが身についていくだろう。
ところが中入り休憩後、挑んだ「心願」。これがよかった。巧い落語家をなぞっているという点では、同じなのだが、隅々の描写に、丹念な仕込みがあって、下手すると(めくらが願掛けをして開眼したが夢)後味の悪くなる噺なだけに、そこをうまく乗り切った快感があった。やりきって幕が下りたあと、周囲の客が口々に「若いのに、うまいわねえ」とホメていた。
寒風に押し戻されながら、このあと歩いて高円寺へ。西部古書会館の休憩室を借りて、水中書店・今野くん、サンカクヤマ・粟生田(アワウダ)さんに話を聞く。つきそいは、版元の盛林堂小野くんと古ツアくん(写真係でもある)。春刊行予定の岡崎&古ツア古本本の第三弾、中央線古本屋地図(仮題)の取材、第一発目。いろいろ、細かく話が聞けてよかった。帰り、「ささま」店内で、すでに持っているが、見ると見逃せない友部正人のエッセイ集を買う。水中の今野くんが、客時代、音羽館とともに好きだった古本屋が「ささま」で、「もう、好きで,好きで」と言っていた。古本屋さんから話を聞くって、なんで、こんなに面白いんだろう。まあ、好きだから、ということでしょうね。粟生田さんが、出身が北海道というので、「富良野だったりして(と、田中邦衛のモノマネを準備しながら)」と言うと、「そうです」というのでひっくり返って驚いた。「じゃあ、このへんで」と終わったのが開始から一時間内。時計も見ずに、うまく終わったので、小野くんがあとで驚いていたが、取材は一時間、ということが多く、体内時計が働くのなり。セッティングには、西部支部広報の三暁堂さんにお世話をかけた。この機会に、なるべく多くの中央線古本屋さんに話を聞きたい。これからもお世話をかけます。