サンデー毎日」今年の回顧を、午前中に送付。今年まだ、けっこう原稿締め切りが残っている。小説は『コンビニ人間』を。
昨日、準備をしてあわてて神楽坂へ。新潮社で梯久美子さん『狂うひと』の著者インタビュー。梯さんとは、「週刊ブックレビュー」出演以来か。ちゃんと覚えていてくださって「どうもどうも」となごやかに話が始まる。梯さん、とてもクレバーな頭脳の持主。あふれ出す言葉を統御し、順序よくポンプで押し出すような喋り方をする。メモが追いつかぬ早口だ。これまでの各紙誌著者インタビューで語られていない(採録されていない)発言もあったようで、まずまずうまくいったのではないか。黒岩比佐子さんの名前も出た。親交があった由。
新潮社をあとに、その足でサン毎担当のSさんと九段下「サン毎」編集部へ。今年最後の本えらび。ボブ・ディランの評伝があったので、これはこれはと押し込む。この日さいごの仕事は原書房で『気がついたら』60冊へのサイン、落款捺し。30冊には「読む人」イラストも単色で描きこむ。60冊にかかったのが1時間。1冊1分の計算になる。心地よい放心状態。
終えて、百町くんとタクシーで神楽坂へ(また戻ってきたことになる)。かつて原書房が神楽坂にあった時の行きつけのバーへ。若い女バーテンダーが酒を作り、仕切るバーである。酒の種類が、この世にある洋酒はすべて揃っているのかと思えるほどの充実。「レモン・ハートみたい」と言ってしまう。ギネスで百町くんと乾杯、バーボンのハイボールに切り替え、ぐいぐいと夜を飲み干す。骨つきのソーセージや、できたてのカツサンドと、食べ物も美味しい店であった。場所柄、出版関係者が多そうな店で、出版界の噂やゴシップは控えた方がよさそうだ。
すっかりいい気持ちになり、店を出たところで、「チャーハンの美味い店があるんです。そこで2人で分けて、ビールを飲みましょう」と、坂の途中にある中華へ。行列のできる人気店で、けっこう広めの店内は客がびっしり。しかもどんどん途切れなく客が入ってくる。厨房で中華鍋を動かす音が止まない。チャーシューがゴロゴロ入ったチャーハンは、濃いめの味付けで、とびきりの美味さで量も多く、たしかに2人で分けて、いいビールのつまみになる。ラーメンもうまそうだ。いつも思うことだが、編集者は職業がら、本当においしいもの、いい店をよく知っている。
明日12月17日午後3時より、国立「ビブリオ」で毎年年末恒例の「クリ詩マスショー」が開かれます。まだ、若干残席余裕あります。予約していないんだけど、あるいは急に行けることになったんだが、という方々、歓迎いたします。ぜひお越し下さい。忘年会は満席、となっております。