じつはわが家に昨夜、二匹の仔猫がやってきた。7年ほどか、飼っていた真っ白な猫「マシロ」が今年急逝し、ぼくは、自分の胸の内では、もう生き物は飼わないほうがいいと思っていたが、結局、家内に押し切られて、新しいのをもらうことになったのだが、いきなり二匹には驚いた。二匹一緒に育ったので、引き離せないとか言うのだが、ううむ。また足下をチョロチョロと、小さな生きものが動くことになった。それはそれでよかったのかもしれない。
本日は、第一期「新潮講座」最終日、受講者の方々と、インカムをつけて神保町ツアーをする。担当のMさんには「なるべく、ずっと喋り続けてください」なんて言われたが、いくらシャベクリのぼくでも、そうはいかない。ほかで、文学歴史の同様のツアーはあるようだが、みなさん、どうしておられるのか。
お茶の水橋、とちのき通り(マロニエの葉が落ちるパリの街で……と細川俊之「ワールド・オブ・エレガンス」のものまねを)、文化学院跡、女坂、錦華公園を経て、神保町古本街へ突入。いくつか古本屋を案内し、30分の時間を与えて、古本を買ってもらい「ぶらじる」で集まって、買った本を披露してもらう。それぞれ、買う本がバラバラで、そのことがかえってぼくは面白かった。目が変われば、選ぶ本も変わる。なるほどなあ、と思う。本当は「ぶらじる」の土日曜は、貸切をしない禁煙席(階段降りて右)を、店長の竹内くんに無理言って、貸切にしてもらう。今日は天気もよく、楽しい数時間であった。Mさんが、何人か、新潮ゆかりの作家(故人)のものまねをしたのが面白かった。これは出版界の宴会芸として、通用するのではないか。
神保町へ向かう前、じつは高円寺で途中下車し、西部展を覗き、三冊買う。『現代用語事典 ブリタモリ講談社スコラ、が300円でいい買い物だった(帰宅後、検索すると、アマゾンで1円から買えるのなり。まあ、いいけど)。考えたら、NHK「ブラタモリ」は、このタイトルを引っ掛けているのかも知れぬ。神田古書会館「書窓展」も帰りにちょいと覗いて、ここでも二冊。万歩計はもう少しで一万歩。さすがに疲れた。帰りの中央線、新宿から座れる。土曜日だものな。