雪の朝である。ニュースでは、都心の雪風景が映し出されているが、当方の住む東京西郊では、雪はもっと激しく降っている。地面は真っ白だ。ちょうど、何度目かの映画「細雪」の録画残りを、ひき続き朝に見ていたら、石坂浩二が雪子が嫁に行くことを哀しみ、一人、料亭で酒を飲み、涙するシーンの窓の向こうが雪景色で、これは実風景とシンクロして、なかなかよかった。しかし、この市川崑細雪」、申し分のない重量感と軽みのある味わいで、ほとんどパーフェクト。リメイクして(この「細雪」自体が二度目の映画化だが)、これ以上のものが作れるとは思えない。そうか江本(エモやん)が出てたか。いまやるとしたら、と蒔岡家の四姉妹の配役を、長女・鈴木京香、次女を檀れい、四女を谷村美月(関西弁が使える)、と本当の年齢は深く考慮せず抜き出して、あと、かんじんの四女雪子がどうしても思い浮かばない。アラサーでこれぞ、という女優は誰か。舞台では、歴代雪子を、藤村志保、遙くらら、沢口靖子紺野美沙子檀れい水野真紀などがかつて扮したというが、なるほど。沢口は大阪弁が使える点で強い。沢口を長女、という手もある。そうか、小林信彦の好きな堀北真希がいるか。
午前中、サンデー原稿(いちおしは津村記久子『浮遊霊ブラジル』)を送付。今年も、あっというまに年の瀬が迫ってきそう。12月は逃げ足が早いのなり。
どたばたして、ようやくマイナンバーカードを取得。長い旅であった。各出版社、メディアからの、マイナンバー登録の催促状が山を成すが、これまでお手上げだった。慣れた事務員なら、一時間もかからないようなことに、ほとんど茫然となる。ポンコツぶりは加速する。