昨日は、招待券があって、中野の芸能小劇場へ、落語を聞きに行く。春風亭門下の二つ目、正太郎と一蔵の二人会。ぼくは、どちらも知らなかった。朝10時からの開演。9時20分から整理券との引き換えがあり、30分頃行ったのだが、50番であった。キャパは150くらいか。8割は埋まったと思う。二人で二席ずつ。正太郎「親子酒」、一蔵「転宅」、中入り後一蔵が「熊の皮」を短く終え、トリが正太郎「三方一両損」。いずれも声がよく出て、明るい高座。春風亭一門の家風であろう。一蔵の熱演は大いに客席を沸かせるが、二つ続けて聞くと、ちょっと疲れる。大きなホールだと、それぐらいでちょうどいいかも知れないが、小さな小屋だと、もう少し抑え気味にした方がいい。もちろん芸風ということはあるが。その熱演を受け取って、最後、正太郎が渋くトリを務めて、よかったと思う。よかったと思う、なんて偉そうだが。
終わったのがまだ正午前。昼飯をたべて、まんだらけ壁均一、案内処、ブと流れて、かねてから行こうと思っていた、新井薬師近くにあるジャズ喫茶「ロンバーチッチ」へ。小さい店だが、木の床ほか、木を使った室内に、落ち着いてジャズを聞く環境が作られている。40分ほど、本も読まず、目を閉じてチック・コリアのトリオほかを聞く。いい気持ちだった。中野まで来たら、また寄ろう。
車内の読書は小川国夫『生のさ中に』。急がず、ゆっくり身をゆだねて読む。帰宅後、「風来坊」25「神が来る市(まち)」を書く。じつは「まち(町)」を「市」と記すのは、小川国夫の影響である。