昨日昼過ぎ、ジェフリー・アーチャー『クリフトン年代記 第6部 機は熟せり』上下巻の解説を仕上げ送付。各部上下巻で、第6部、ということで12冊を読んでの解説となった。いやあ、長かった。二カ月は丸々かかったか。ハラハラドキドキの小説なので、なんとか乗り切る。解説にもずいぶん苦心したが、仕上げる時は後半、一気に書く。送付したあと、担当編集者から電話をもらい「いやあ、素晴らしかったです」とお褒めをいただき、ほっとする。
録画しておいた市原悦子主演の山田太一ドラマ「やがて来る日のために」(2005)を見る。訪問介護、という仕事をテーマに、死と誕生を描く。上野樹里が若い。
夕方、「盛林堂」へ。補充と精算。均一で5冊買う。名のみで、くわしくは知らなかった笹森儀助を特集した「季刊 自然と文化」を買い、一時間ほど「ドトール」で、ラインを引きつつ読む。笹森は明治中期から、奄美、シベリアなどを探索踏破した。奄美の図書館に勤務した島尾敏雄の部屋に笹森の写真が飾られてあったという。和服の尻っぱしょり、わらじ履きで、こうもり傘を持ち、ウチワをぶら下げた珍妙な出で立ちで、艱難辛苦の貧乏旅行を続けたという。おもしろい人物なり。
夜は、古ツア、小野、岡崎の三人で、古ツアさんのツアー「京阪神」編の労苦をねぎらう会。初めて入った肉屋で、塩味のもつ鍋を囲む。店内、満杯。一つのトイレがつねに塞がり、三人は行ったり来たり。来年、盛林堂から出版予定の、古本ネタ本第3弾について、画策する。電車内では、ずっと小川国夫『生のさなかに』角川文庫を読んでいた。