okatake2016-10-26

夜中、目覚める変なくせ(尿意、酒の飲み過ぎならん)がついて、明け方までゴソゴソしている。『京阪神』篇を読んでから、古ツア病にかかり、『全国古本屋地図』の関西編改訂に勤しんでいたら、大和郡山に激しく赤で囲んだ「あすか書房」が気になる。「中国料理店の地下駐車場を改造して出来た千坪の広大な古本屋」で、しかも二十四時間営業だという。これが2001年版の記述。その後どうなっただろうか。検索すると同じ住所にヒットするが、現存するかどうかが、ちょっと不明。あれば、ものすごい店だと思うが。
こないだ京都へ行った時、生田誠さんから「和歌山に新しい古本屋が出来たから行ってください」と言われたことを思い出し、これも検索すると、ほんとだ。築港一の十一、「水茶都(みさと)」という喫茶店の二階に、郷土史と絵葉書を中心にした「紀国屋」という古本屋が今年五月にオープンしている。和歌山は、大阪の難波から快速で一時間半ぐらいで、さほど遠くないが、大阪在住時代は遠く感じた。ほか「まさ書店」「読書生活」という古本屋があるようで、いつか、いつかの挑戦で残しておこう。『地図』の記述では、和歌山を江戸期からいかに文化的レベルが高いかを八行を費やし力説し、「反面、古書店が意外に少ないのも和歌山である」と書かれてある。お隣の三重も万葉チェーンが撤退してからは苦しい状況。
このところ寺田寅彦『柿の種』岩波文庫を自家製カバーをかけて持ち歩き、ぽつぽつ読んでいる。こういう断章、メモ的著作はいいなあ。顔中いぼだらけのおぞましい顔した父親に背負われた娘が、しきりに「おとうちゃん」と呼びかけ、話しかける話に泣く。わずか十行の文章で泣けるのは稀有だ。