午前中、詰めて仕事をして(「おれは男だ!」対談後編とロケ地図)、午後外出。練馬区南田中図書館で開かれる「古本屋ツアー・イン・練馬」(小山力也)講演を聞きに行くのだ。西武池袋線石神井公園」「練馬高野台」と両駅から、同じような距離だが、降りたことのない後者を選ぶ。駅前「ブ」にもそっと触れるが収穫はなし。南口へ出て、すぐ目の前が石神井川。これをたどって西進。都営の団地が並ぶ。天祖稲荷神社裏手に出たが、少し南側が高台になっている。細い階段を上がり、このあたり複雑な地形なり。行ってみると、南田中図書館は、『ここが私の東京』庄野潤三取材の際、目の前を通っている。稲荷神社は、庄野一家がお参りしていた神社。南田中図書館での古本講座はこれが5回目だという。例によって、なぜツアーを始めたか、あるいは古本屋はなぜこんなに夢中にさせるのか、あたりを古ツアさんが語る。ときどき講座担当のKさん(同館は指定管理者制度を導入していて、Kさんは図書館流通センターからの出向らしい)が質問、フォローをする進行。後半が「練馬」の古本屋のスライドショー。あとで、質問が活発に出て、本当に好きな人が聴衆に集まっているんだとわかる。いい雰囲気の会だった。
帰りは石神井公園から。さっそくスライドで見た保谷「アカシア書店」へ行ってみる。そうか、自動車資料パンフの専門店ということで、敬遠していたのだ。しかし、行ってみると、店の単行本棚の約半分近くが100円均一。これならなんとか買えそう。一冊だけ買う。あとは用がないんだなあ、保谷に。そうか北口に「バンカ」というジャズ喫茶があるんだ。ただし平日のみ。
電車のなかでは、ずっと労作『古本屋ツアー・イン・京阪神』を読んでいた。すごく緻密なエネルギーの持続と配分にたじろぐ。ぼくなら、途中で音を上げて、オホーツクへ失踪するだろう。「俺は、俺は本当に嬉しいぞ!」(「クロックワーク」)のチャーミングなフレーズに、にんまりする。