今日はよく仕事をしたので午後外出。西荻「盛林堂」に補充、「音羽館」へも。どちらでも買う。広瀬くん、古書組合の仕事で札幌行きだという。たまにはいいよ。三鷹「水中書店」でも安岡章太郎を一冊。「上々堂」へも補充と精算。やっぱり8月9月は、岡崎棚は低調であった。帰宅すると、盛林堂から古書目録『盛林堂の本棚』が届いていた。オールカラー92ページの力作。和物の古書ミステリを中心に、SF、大衆小説、児童書まで、手広く、しかもここぞと思われるものをよく集めている。昭和初年から戦後まもなくあたりまでの、手書き文字とイラストで構成されたカバーの、なんと魅惑的なことか。何とな! と目が止まったのは、昭和18年の『スパイ物語 少年防諜読本』。小学生男子が二人肩組んで「防諜」をたくらんで歩く絵がすごい。見ているだけで興奮し、腹が減る目録だ。
夜、「風」ベストを聞きながら、また仕事。こんなに仕事をしているつもりなのに、税金や保険料の支払い等で、経済状態はどんどん悪化していく。まだ、足りぬのだろうな。リポビタンDを飲んだくらいでは追っ付かないですよ。
また外出先で、uni-ball signo 0・38ボールペンを買ってしまう。いったい、何本買えば気がすむのか。まるで禁断症状だ。黒くなめらかに線が均一に引け、インクボテもない。ノックし、書くのが楽しい。これはボールペンの完成形なり。製造中止になるのが怖くて、替芯も10本買ってある。
吉田修一『犯罪小説集』の創り出す世界の薄気味悪い怖さにたじろぐ。人間は怖い。