okatake2016-08-30

御自身のブログで書いておられるからいいかと思うが、さる28日、盛林堂に補充していたら、いまは店売りを止められた「猫額洞」さんご夫婦にバッタリ。少し話をした。http://byogakudo.exblog.jp/いつもご夫婦で、東京さんぽをされているようで、読書日記とあわせ、着々とブログで報告されている。文章もいいが、いつも掲載される写真がとてもいいのだ。風景の切り取り方に、独自の視線がある。いまや写真は女性のもの、とそう思わずにおれない。
東京さんぽ、と言えば筋金入りは冨田均だが、『住所と日付のある東京風景』(新宿書房)は見つければつい買ってしまい、すぐ喫茶店で読む、何度読んでも刺激を受ける一冊だ。1981年に集中して、東京東側を中心に東京をくまなく歩いている。東京五輪以後、古き東京は廃れたと思われたが、冨田ルポを読むと、今の時点から振り返れば、まだまだ残っていて、それも多く廃れた。台東区日本堤の「廿世紀温泉」という銭湯は、一度観てみたかった。
『風船舎古書目録第12号』を受贈。例によって、300余ページに、3000点近いアンコがびっしり詰まっている。特集は「マッカーサーがやってきた」。戦時中、戦後、占領下と、古書や雑誌、資料で時代を浮かび上がらせる試み。昭和14年から22年の仮題「戦時下・占領下の乙女群像」は、T令嬢が遺した自筆日記や書簡、交換日記等の一括資料。32万4000円。井上ひさしが生きていたら、欲しがるだろう。谷崎潤一郎夫妻宛の古川緑波書簡、というのもある。むむむ、である。風呂で湯舟に浸かりながら、じっくり読もう。