中川五郎さんが、沢知恵さんのライブに出演するため、香川県の離島「大島」へ行っていたと知る。ここにハンセン病の療養所「青松園」があるのだ。というより、それしかない島、と言ってもいい。すぐ向こうに小豆島が見えている位置関係にあり、島へフェリーはなく、官用船と呼ばれる、専用の、これは何と呼べばいいか民間船ではない船が渡っていて(8㌔、20分)、無料だそうだ。恥ずかしながら、その存在を知らなかった。知らないことが多いのだ。
待望の本、松木直也『音楽家 村井邦彦の時代』河出書房新社を読み始める。日本の歌謡曲作曲家といえば、すぐ筒美京平の名が挙がるが、村井邦彦の存在も大きいとずっと考えていたからだ。同じ河出から、わが「古本バンド」のキーボード担当・宮内悠介くんの新作長編も出た。『スペース金融道』は、太陽系外惑星まで、借金を取り立てに行くコンビの話のようだ。注目のSFユーモア小説。某誌から某氏の代打で、急きょ原稿を頼まれ(ぼくは喜んで引き受ける)、たちまち枕元に読むべき本が山を成してきた。内澤旬子さんの『漂うままに島に着き』朝日新聞出版社、ブックオカ編の『本屋がなくなったら困るじゃないか』西日本新聞社も早く読みたいのだが。ただいま地下書斎の気温25度。