雨の中、高円寺・西部古書会館「好書展」へ、少し時間をずらし参上。移動中、ひさしぶりにNHKFMゴンチチポール・モチアン(ds)をリーダーとするクインテットか、の演奏に陶然となる。ピアノはプーさんだろうか。好書展で10冊ほど買い、雨が降っているので、寄り道せずさっさと帰宅。ヨムヨムの土曜日。
本来なら文藝春秋社から出て然るべきの、坪内祐三さんの「週刊文春」連載文庫コラム「文庫本を狙え!」が、久々に、本の雑誌社により本にまとまった『文庫本宝船』をいただく。非常に率直な「あとがき」を読んで感じ入る。実際の重量以上に、重みのある本である。700ページ超えの本を、よく本体価格2500円で抑えたな、と思う。CD一枚、映画館入場料、うな重の並、あたりの価格と折り合うため、本の値段は低く保たれている。
ぼくの実感としても、原稿料は明らかに下がっていて、いくつか実例がある(思い付くだけで4つぐらい)。それでも、出版社の編集者の対応は書き手に対し、おおむね紳士淑女的で、それでなんとかプライドが保たれている気がする。いま20代で同業の人は、どんな思いで、この困難をやりくりしているのだろうか。