青春18を使って武蔵野線をのんびり、新松戸まで行って、成田へ足を伸ばそうと考えて駅へ行ったら、すぐ電車が到着するようで、あわててスイカで改札口をくぐってしまう。しまった。手続きし直すのもめんどうだ。ちょうど神田古書会館で即売会をやっているのでそちらへ。三橋乙揶読本が、スリップもついた本ながら、小口と天の一部に、真っ赤なスプレーが吹きかけられている。廃棄本、ということだろうか。それで安かったので買う。ほか、数冊。黒木香伊藤比呂美の共著は、本そのものも珍しいが2000円がついている。なぜか。黒木「わき毛」香のサインとキスマーク入りなのだ。ううむ、とうなる。落款、識語というのはあるが、キスマーク(口紅跡もくっきりと)というのは。古書の大本山「神田古書会館」展も、ビームセドラーが目立つようになってきた。べつに悪いことをしているわけではない。しかし、どこか卑怯のような、空気を汚染されているような気になるのも正直なところだ。とくにあちこちで見かける恐怖のネズミ男は、一心不乱の精進ぶりで、そばに寄るのもはばかれる。だから、ぼくはたいてい午後、あるいは一時間後の出動を心掛ける。
西荻下車、盛林堂の岡崎棚に少し補充。一度、総替えが必要なのはわかっているが、なかなか。小野くんから、溜めておいてくれた書店値段票、をもらう。また、スクラプブックに貼るのが楽しみ。秋の新潮での講座で披露しよう。
国立「ビブリオ」へも寄る。安部慎一展開催中。若いお母さんが小さな女の子を連れて、熱心に『美代子阿佐ケ谷気分』の原画を見ていた。そのそばで、玩具で遊ぶ幼女。フシギな光景なり。十松くんと少し打ち合わせ。