涼しい雨の土曜日。行方不明のスマホ捜索、あれと思う場所から見つかった。見つからなければ、午後、ドコモショップで新しいのを、と思っていたから助かった。
夜、酒飲みながら、ユーチューブで「探偵ナイトスクープ」視聴つづく。2012年、石田靖探偵の泥酔父親に腹の底から笑い転げる。こういう笑い方をするのは、いつぶりか。ビールから角に切り替え、台所で家族の前でえんえん飲み続け(というのも珍しい)、毎晩泥酔、骨無しのぐにゃぐにゃになったのを、娘が2階の寝室まで抱えるように運ぶ。この泥酔ぶりが本当にすばらしい。スラプスティックの見本のような動き。服を脱がされ、ベッドにもぐりこむところまで、全部娘まかせ。いい娘だなあ。ぼくも毎晩飲むが、こんな泥酔は経験したことがない。どんなに飲んでも、枕元で必ず本を読んでから寝る。つまらぬ男である。
あと、2014年の「ボールが怖い野球少年」も、元南海のサード藤原満(「あぶさん」にチャイというあだ名で登場)が、一年間、キャッチボールもできなかった少年を、たった10分の指導で克服させてしまう。そのプロの手腕に感心する。
夜、国立「ビブリオ」で、シバ、生田敬太郎、佐藤龍一ライブへ。ブルースを基調としながら、三種三様のパワフルなライブにすっかり堪能する。いやあ、行ってよかったわ。すばらしかった。客席女子率高し。生田、佐藤両氏は「エレック」の出身。生田さん、エレック時代に、地方で方々ステージをこなしていたが、某所で、行くと「音響がないんですよ」と言われる。マイクもない、という。「まあ、いいですよ」と会場へ行くと、これが広い。あまりに広く、歌うマイクもなく、学校の教壇みたいな机を前に置き、そこに花を一輪さした花瓶を置き、それを目がけて歌ったという。最後は、三人で歌われたのだが、ちょうどイベントで北海道から上京されていた、漫画家の鈴木翁二さんが現れ、「少年」という自作曲を弾き語りで歌う。ぼくは、夢かと思った。翁二さんは、ぼくの青春期の「神」の一人。ライブが終わって、名刺を出して挨拶させてもらうが、興奮してひどく上がってしまう。30年前、立命館大学のペンクラブだったかが、翁二さんを招いて、研究室みたいな狭い部屋で講演が行われたが、ぼくはそこに参加している。その話をすると、「そうか、あそこにいたんだ」と感慨深い顔をされた。予算がなくて、学生寮に泊まるんだ、という話を当時されていて、その話をすると、「そうそう、あの晩、眠れなかったんだよ」と。憧れの人と再会できて、こんなに興奮するなんて、まだまだウブじゃないか、と思う一夜であった。