okatake2016-06-25

『まっぷたつの先生』という木村紅美(くみ)さんの新刊長編が届く。なるほど、これはおもしろそうだ。中央公論新社のサイトから解説を引くと「ある少女には夢を与え、別の少女からは希望を奪う――先生、あなたは何者ですか? 挫折した元教師と、大人になった教え子たち。図らずもその人生は交錯し、時計の針が動き出す。ほろ苦く、滋味ゆたかな人生譚」。『まっぷたつの』と聞くと、カルヴィーノの寓意譚『まっぷたつの子爵』を思い出すが、もちろんタイトルはそこから来ているのだろうが、中身はかなり違う。誰しも「まっぷたつ」の両面はあるし、それがどっちが本当ということでもない。話題になりそうな作品であり、ちゃんと読むつもり。帯の推薦文は三省堂の大塚さん。「本を開く前の予想より、はるかにうたれてしまう」とのことです。