東京クワルテットのハイドンを聴きながらの雨の朝であります。(小さい「ワ」って、どう打って出すんだろう)
とと姉ちゃん」の三姉妹、みんな上手いが、注目は三女の美子役・根岸姫奈ちゃんではあるまいか。天才と言われた子役の系譜は、やや、いやらしい上手さが勝っていたが、姫奈ちゃんはごく自然に役に融け込んで、目立たず、本分を全うしている。そこがすごいのだ。この自然さを、大地真央にも身に付けていただきたい。成長にあわせ、配役が変わるわけだが、現在の三姉妹は第二期。常子(高畑充希)、鞠子(相楽樹)は、成人以後もこのままのようだが、美子だけは杉咲花に変わる由。仕方ないが、ちょっと残念。あと、落語チックな番頭役を、鶴太郎が楽し気に演じて儲け役。
軽く触って紹介するつもりだった内田樹平川克美名越康文『僕たちの居場所論』角川新書、ついつい読みふけってしまう。内田と平川は小学生時代同級生で、しかも問題児として、いちばん前の席に並んで座らされていたという。「暴力性をどうやって制御するか」は、自分にとっても永遠のテーマであるが、内田は多方面に「八つ当たりして」発散せよ、という。まあ、たとえばゴミ箱を蹴飛ばす、というような、他人に直接危害を与えないかたちで制御する。村上春樹『女のいない男たち』は、内田に言わせれば「八つ当たりできない男たち」の話なんだそうだ。なるほどなあ。
「雲遊天下」最新号「あの場所から」に一文を書いたが、その次に登場するのが小野一穂さん。次回「中川フォーク」(七月一日、19時スタート)のゲストに迎える。奇遇だなあ、というより五十嵐くんがわざとそうしてくれたのかもしれない。「古通」連載は、三鷹「藤子文庫」訪問記です。