okatake2016-04-28

雨の朝である。昨日、池袋西口広場の古本市を覗いて、有楽町線飯田橋移動。「ギンレイ」で「ミケランジェロ・プロジェクト」を観て、九段下でサン毎本選びというコース。ページが半分に減って、本選びは二週に一度になった。
池袋の古本市は、彩の国に比肩するような、相当量が出ていた。本の企画が通れば、欲しい本があったが、通らなければムダになる。出店書店をメモする。出店していた一路さんと立ち話。『野呂邦暢古本屋写真集』、某店が5000円つけて目録に載せたら、10名以上の応募があった由。ずっと本部から流れる探究書を聞いているとおもしろい。一路さん曰く「『窓ぎわのトットちゃん』というのもあったんですよ」と。
ミケランジェロ」は、第二次大戦中、ナチスが強奪した膨大な数量の美術品を奪還する七人の男たちを描く。実話ならん。主演のジョージ・クルーニーが監督も務める。なかなかの出来映え。マット・デイモンビル・マーレイケイト・ブランシェットなどが共演。もうちょっとハラハラドキドキさせてもよかったのじゃないか、とも思えたが、ユーモアがあるのが大変よかった。設営された戦場のテント基地で、ビル・マーレイ宛てに届いた、家族からの声のレコードが、拡声器でテント村全体に流れるシーンがホロリとさせる。後ろの席の年輩の男性が、映画にいちいち反応するタイプで、ややうるさかったが、このシーンでは「ほぅ」と息をもらし、黙っていた。泣いていたのではないか。
「サン毎」新刊案内のページは、5本になり、400字が2本、あとやや少なめが3本になる。かかる時間は10本時代とあまり変わらない。400字の1本を、とみさわ昭仁『無限の本棚』アスペクト。とみさわさんとは、「本の雑誌」の万歩書店座談会でご一緒している。あんまり詳しく知らなかったのだが、そうだったのか。共感するところ多し。ブックオフの章、どこに目をつけるか、大いに参考になる。鉄を銀、あるいはプラチナに変える術。ネット販売をしていない、というのは意外であった。
忘れていた。盛林堂書房出版部の新刊をいただきました。「スター・ウォーズ」上陸の際の、石上三登志の興奮と獅子奮迅の活躍を覚えている。古本仲間の原くんが、スクラップしていた氏の記事原稿が、この本の母体となった。植草甚一高平哲郎みたい。

書名:『ヨミスギ氏の奇怪な冒険
フィクションエッセイ0012』
著者:石上三登志
表紙デザイン:小山力也
(乾坤グラフィック)
サイズ:文庫版
部数:500部
定価:1,200円(税込)
刊行:2016年4月23日(土)
雑誌『奇想天外』に連載された
映画評論家・故・石上三登志
未単行本化連作集を刊行します。
書下ろし巻頭エッセイ:鏡 明